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登録人材活動事例

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自動車販売会社の業務改善・収益改善レポート

ターンアラウンドマネージャーの役割

ターンアラウンドマネージャー〈以下、TAM〉とは、経営改善の為、財務・人事に留まらず、事業・経営・組織・収益の本質部分に切り込み、新規開拓、設備投資などの施策を行い中長期的に企業価値の向上を目的とし、内部に入り改革を行う事が使命である。
 TAM導入案件は、特に資金繰り状況に応じ優先事項から取り組む必要があり、経営陣・幹部との情報共有、正確な判断が要求される。債務超過又はリスケ段階で、実質カウントダウンに陥っている場合でも、経営陣・幹部社員に危機感が無く、改革改善の着手まで時間を要し手遅れになる場合も想定される。ゆえに金融機関と収益改善策の合意、及び資金枯渇時期を明確に経営陣へ理解・認識頂き、『経営者が行動する』ことが改革の鍵となる。

具体的な案件例

  1. 案件内容

    ある地方都市の老舗企業。立地は国道に面し、競合他社がひしめく好立地にあり、整備販売店からスタートし、四輪新車直販と業販・卸、整備で地元に精通するモータース型ディーラーである。組織は創業者〈販売〉と妻〈経理〉、創業者の親族〈工場長〉、番頭〈整備〉と整備担当の子息で、販売、整備、事務、総員10名強の同族会社。

  2. 窮境要因

    ワンマン経営で業績を積み上げ、「某メーカー正規ディーラー権」を維持してきた会社であるが、創業者の急逝で一気に集客力が低下した。後に、創業家子息が代表取締役に就任したが、自身の経験不足と親族や番頭との折り合いが悪く、統制が取れない日々を過ごした結果、店舗・事務所・工場・部品庫は、清潔感がなくなり ゴミ屋敷 状態となり、経営基盤である顧客は急激に離れ売上も激減した。同時に正規ディーラーの規約である「年間販売基準台数」に追われ、台数消化のために乱売・過剰在庫・査定ミス・クレーム・未回収などで、連続赤字計上で債務超過。更に全国販売店最下層に転落し、メーカーより「廃業又は合併」要請があるなど、負の連鎖状態にあった。

  3. TAMの施策と実行支援

    『所員全員が現状把握し、あるべき姿〈経営〉で売上〈利益〉のある店舗〈会社〉にする。』
    模範となる優秀店を数社見学し、最新の情報で自社と比較し啓発。「全国基準社員・店舗」の勉強会を実施し、お客様目線で正規ディーラーの「あるべき姿」を徹底解析し、「何が課題・問題」であるか明確にし、取り組み順位を検討「アクションプラン」を作成。課題解決と時間軸をロードマップに落とし込み「出来た事、出来ていない事」進捗と効果の確認を繰り返した。
    以下、課題順取り組み内容
    ・「クレーム、売掛」一覧作成、回収〈現金〉とクレーム処理〈未払〉。経理資料精査。全棚卸。
    ・下取り車両の商品化、廃車による放置財産の換金〈利益化〉の実施。査定士資格取得。
    ・「年間・月次予算と損益」「実抜計画」を軸に部門別取り組み勉強会。利益計算と挽回策。
    ・全顧客リストから、成約スキームと月別入庫促進表作成。代替促進と商談即決OJT実施。
    ・営業スタイルの検証と見直し、個々の考え方調査とスキル確認。営業マンスキルUP指導。
    ・「5S」「TQC」手法活用、「質」にこだわる整理・整頓、「磨く」を目的に清掃。接遇基本研修。
    ・スケジュールを部門間共有。整備入庫予約をクラウド管理し、空き時間をリアル公開活用。
    ・「徹底美化」電灯、天井、ガラス、壁、床、台所、トイレ等、通路など磨きと塗装を全員で実施。
    ・事務・商談テーブル、椅子の修繕。店舗外、雑草駆除、ごみ分別箱。現在、リニューアル完了
    ・Googleクラウドで個人ID、集客用SNS、スケジュールカレンダー、メール日報、部門別売上、利益、回収管理情報共有。※メーカー基幹システムと重複作業の無いリアルタイム情報共有の仕組み構築

〈組織の再編〉
・就業規則作成、労働基準監督署への届け出。社員職種・階層研修導入。
・総務、経理担当者3名を実務合理化で1名に減員、社員からパート勤務。
・黒字化を目的に経営者教育実施<社長職>。部門別責任者の育成<管理職>。
・高齢幹部<定年制導入役員・部長2名>、若手幹部育成と学卒定期採用実施。

進捗と成果

5年前 売上2億、経常利益▲4百万 → 直近期 売上6億超、経常利益10百万超へ改善
「改革POINT」 <親族経営の高齢組織、全国最下層販売店からの脱却と黒字化。>
・新車販売店として、全面リニューアル〈政策資金活用〉、県下NO1営業店へ
・中古車販売開始。下取り車の全面商品化とオークション仕入れで初の「総額表示販売」。
・中古車「総額表示無人店舗」開設〈初の土日祝OPEN店〉 以後、多店舗展開検討中。
・整備工場。最新機器・荷柱リフト、初のエンジンリフレッシュ導入、メーカー基準整備。
・管理職勉強会。年間売上計画「昨対・予実」比較をしながら、月次対応が出来る管理職。
・採用。地域、高校・大学・専門学校より推薦、定期採用実績。
※積極的に、若手社員を教育、経営に参加させた事が、成果に繋がった事例である。毎年、定期採用応募者も多く、更に会社拡大と多店舗展開も計画している。
・店舗も現在模範店となっている。店長30才代〈執行役員〉、副店長30才〈課長〉、営業3名〈定期採用組〉、工場長40才代〈執行役員〉、整備課長、係長、新入社員1名、受付社員・経理事務〈パート〉。
・業績回復。〈県下優秀店へ〉新規顧客と整備客の収益構造確立。4年連経常黒字更新中。
組織若返りと営業戦力の構築。学卒定期、中間採用で定着し、業績安定。
「CS向上」顧客満足度の高得点維持。「お客様に聞く」姿勢で、お教え頂く事が顧客満足の近道、即効性と再来店効果となる。 「お褒め」を頂ける店舗となり所員が悩み、考え、行動する集団となった。 

 

ターンアラウンドマネージャー WH